使いながらZEB改修の取り組み

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ZEBとは

ZEB(ゼブ)とは、「Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」の略称で、快適な室内環境を実現しながら、建物の消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物をいいます。

高効率な空調・照明設備を用いたり、効率的に設備運用することによる「省エネルギー」、太陽光発電などで自ら再生可能エネルギーをつくり出す「創エネルギー」、これら2つを組み合わせることで、建物の消費エネルギーの正味(ネット)ゼロとすることを目指します。

ZEBはカーボンニュートラルの実現に向け、環境に配慮した未来を創造する建築物となります。

使いながらZEB改修とは

「使いながらZEB改修」とは、既存建物の営業を止めずに、ZEB化を図ることをいいます。

環境に配慮した新たな建物をつくろうとしても、年間で新たに建設される建物は全建物のおよそ2%にすぎず、カーボンニュートラルの実現には、既存建物を環境に配慮した形にしていくことが必要です。既存建物は、すでに人やテナントが入居しているため休業しての改修工事が難しい、既存の設備システムを大きく変えることが困難といった課題があります。

「使いながらZEB改修」は、テナント事業者の営業等への影響を最小限にした施工方法をとることで、既存建物の営業を止めずにZEB化を図るもので、持続可能な社会の実現に向けた重要な取り組みといえます。

仙台市『使いながらZEB改修』の実施について

環境省ゼブポータル

使いながらZEB改修の流れ

1.工事計画の設計

使いながらZEB改修を実現するための第一歩は、入念な工事計画の立案です。既存建物では構造や設備に制約があるため、事前の検討が重要となります。建物の設計図や設備図面、エネルギー消費量のデータを収集し、ZEB診断ツールやエネルギー消費性能計算プログラムを用いて現状を分析します。これにより、業務に支障を与えることなく改修を進められる効率的な計画を策定します。

2.施工前の準備

準備段階では、資材や備品の整理を行います。資材置き場として会議室や空きスペースを有効活用することで、新たに大規模な置き場を設ける必要がありません。移動が難しい備品やデスクは養生を施し、移動可能な備品は事前に整理・移動することで、日常の執務環境を維持しながら作業エリアを確保します。このように、通常業務を続けながら施工を行う体制を整えます。

退社後にデスクや備品に養生を施す

3.工事の実施

工事は、業務活動を継続することを前提として実施します。工事範囲を最小限に抑え、作業はできる限り営業時間外や休日に行います。例えば、空調設備の改修では、天井開口を必要最小限にとどめ、既存配管を再利用するなどの工夫を行います。これにより、建物利用者への影響を最小限に抑えつつ、省エネルギー性能の向上を実現します。

天井内の工事を行う

4.施工の完了

施工完了後は養生を撤去し、移動した備品を元の位置に戻します。これにより、施工前と変わらない状態に速やかに復元し、業務を継続することが可能です。さらに、他のエリアやフロアにおいても同様の手順を繰り返すことで、建物全体を「使いながらZEB」へと進化させていきます。

施工完了後、元の状態に戻して業務再開する

2~4のプロセスを繰り返す

工事は2~4のプロセスを繰り返しながら工事を行うことで、使いながらZEBを進めていきます。